【受講者の声】学びの先にあるもの vol.6
受けたからこそ気づいた、大切な学び
「もっと早くにこの講座に出会いたかった」
パシフィックソフトウエア開発株式会社 川澤 敏明 さん(令和5年度土佐経営塾)
自社の取締役となる未来が見えてきた中で、より責任感を持って職務に取り組むために経営の知識を深めようと土佐経営塾を受講された川澤さん。
受講のきっかけや講座を通じて得られた学びについてお話を伺いました。
ーーまずは川澤さんのご経歴をお教えいただけますか?
1992年にパシフィックソフトウエア開発株式会社に開発技術者として入社し、受託開発を主とする部署で特に物流分野のソフトウェア開発に25年以上従事しました。その後、同部署の部長職に就任し、物流のほか、流通決済や電子装置など、受託開発部門の統括管理を担当しました。そして今年から取締役に就任し、経営により深く携わることとなりました。
ーーありがとうございます。そのような環境の中で、どういった経緯で土佐経営塾を受講することとなったのでしょうか?
代表から勧められたことが受講のきっかけでした。シラバス(講義要目)に目を通して正直ハードルの高さは感じましたが、『やる』と決めた以上、後に引けないと考え、思い切って受講すると答えました。
受講を勧められた時期はちょうど役員への就任の可能性が現実味を帯びてきた頃で、技術畑で長年やってきたこともあり、経営の知識の乏しさを意識し始めていた時期でもありました。無知なままで役員職を引き受けることは無責任だと思い、経営の知識を身に付けてからでないとその職務を担えないというハードルを自分の中で持ちながら受講することを決意しました。
令和5年度土佐経営塾にて積極的に発言をする川澤さん
ーー講座に参加する上で期待していたことがあれば教えてください。
受講申込みの際に自分の短所としても挙げたのですが、マネージャー職を長年務める中で、中長期の計画策定は行っていたものの、目先の業務に追われ改善活動を計画通りに進められていなかったと感じています。計画をしっかり立てたつもりでも蓋を開けてみるとほとんど進んでおらず、忙しさを理由に取り組めていないことがよくありました。また、事業を継続・発展させていく力はあると自負しているのですが、事業の転換や新たに切り開く力はまだ弱いと感じており、そういった自分の抱えている課題を解決するために役立つ何かを学ぶことができれば、という思いで受講していました。
令和5年度土佐経営塾にてチームメンバーと発表を行う川澤さん
ーー実際に土佐経営塾を受講して、講義の進め方や内容などについてはどう感じられましたか?
まず、反転授業という形式は初めての体験でしたが、効率的だと感じました。
授業が座学ではなくディスカッション形式で進んでいくため、議論を積み上げて行く面白さがありましたし、吸収しやすいと感じました。興味を持って取り組むことができました。
また、事前課題に取り組む中で、自分の中では最適解だと思っていることに対して、実際に講義に持ち込んでみると想像以上に厳しい指摘が返ってきて考えの違いに気づかされることもありました。一面だけを捉えて誤った判断をしないように、と普段から意識しているつもりでしたが、指摘を受けて悔しさを少し感じることもありました。ですが、その過程で自分に足りていなかった部分を再認識することができ、ありがたさを感じました。着目すべきポイントや考え方を学ぶことができ、今後の業務でセルフチェックを行う際の参考になると感じています。
ーーグループ討議は難しい部分もあったかと思いますが、ほかの受講生の発言や意見から得られた気づき、討議を行う上で意識していたことはありますか?
マネージャー職に就いている人やリーダーといった立場の人は、少なくとも物事に対する自分の考えを持っている必要があります。それぞれが異なる価値観や立場から、その人なりの論理の積み上げがあり、「こうあるべきだ」という意見が多様化しているため、時には受講生によって全く逆の答えが出てくる時もありました。「一理ある」が複雑に絡み合う中でのグループ討議は、難しくもあり楽しい部分だと感じました。
組織であれば上下関係があり、上職者が方向性を示すことが一般的ですが、土佐経営塾では上下関係がありません。意見を出し合う際は、傾聴力が大切になります。そして協調や調整を重ねて答えを導き出すのですが、その際にもきちんと理由を持つことが重要だと考えます。
ーー受講者同士の関係も深まったかと思いますが、現在も繋がりは?
同期の人たちとは今でも連絡を取り合っています。自身で事業を立ち上げて活動されている方はLINEで写真や動画を共有してくださったり、キャンプや交流会も継続して開催しています。講座受講中、事業を立ち上げるために本気でビジネスプランを考えていた方が、今は実際に活動を広げている様子を見ると嬉しいですし、私も刺激を受けています。
令和5年度土佐経営塾にてチームディスカッションを行う川澤さん
ーー講義や討議を通じて印象に残っている内容や得られた成果はありますか?
講義の中で特に印象に残っているセッションが2つあります。1つ目は「売り上げ構築のためのマーケティング戦略(セッション8)」です。講義の中で学んだ内容は自社でも実践していたものの、感覚的に取り組んでいた面が多く、使いこなせている訳ではありませんでした。この講義内での学びを生かし、自分たちが実践している戦略を明確に言語化することで、今後自社製品を市場に売り込んでいく上での一つの手法として整理でき、自社内でも展開できる可能性に気づくことができました。
2つ目は最終セッションの「リーダー行動の枠組みを考える(セッション11)」です。この講義はよくある一般的なリーダー研修とは全く異なる視点からリーダーシップについて考えさせられる内容で、斬新に感じました。何より講義の最後に竹内先生から頂いたメッセージに心を強く揺さぶられたことを覚えています。受講生に問いかけるその内容は、今でも度々読み返し、読むたびに自分の中で問い続けています。いつか経験を積んだ先で、その問いかけに自信をもって答えを出せるようになりたい!と考えています。
元々リスクを避けがちな性格で、思い切ってリスクに飛び込むことはしないタイプだったのですが、講義を通して計画性や実行性を積み重ねながら、時には思い切って挑んでみることの大切さを学ぶことができました。
また、これまで感覚的に事業をマネジメントしていたことも多くありましたが、数的根拠をもとに舵を切るという方法が身についたことで、確信をもって事業を進めるための基盤が確立できたとも感じます。こうした変化が、自分にとっての成果だと実感しています。
ーー令和6年度の『土佐経営塾』にも御社から1名ご参加いただいておりますが、今回の参加に対してどのような期待や想いをお持ちでしょうか?
私自身、土佐経営塾を通じて多くの学びや気づき、刺激を得ることができ、今後の経営や事業に大いに生かすことができると強く感じました。通常業務で忙しい中での参加は確かに大変ではありましたが、非常に密度の濃い時間を過ごすことができました。苦労に見合う成果や人との繋がりを得られた実感があります。自分以外の社員、とりわけ将来会社を担う人材には、この講座を通じて同じ学びと感覚をぜひ身に付けて欲しいと考えています。
ーー最後に、これから受講を検討されている方へのメッセージや土佐経営塾のおすすめポイントなどをいただけますか?
シラバス(講義要目)を読んで「面白い」と直感的に感じた方は、迷わず受講するべきです。想像以上に得られるものが多いということを保証します。
私自身、土佐経営塾を受講して「もっと早くにこの講座に出会いたかった」と感じました。もちろん、経験を積んだなりの視点で学べる内容もありますが、もっともっと早いうちに受講できていたら、管理者としてまた違った自分になっていたんじゃないかと。ですので、これから会社を担う方々には、早い段階で必要な感覚を身に付けるためにも、ぜひ受講をおすすめしたいです。
川澤さんが受講した『令和5年度土佐経営塾』の開催レポートはこちら