高知県産学官民連携センター

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【受講者の声】学びの先にあるもの vol.3

「学び」があったからこそ

コロナ禍の業績不振でも

不安になることはなかった

 

有限会社高須ハイヤー 代表取締役 高村 禎二 さん

(令和元年度土佐経営塾、令和5年度土佐MBAゼミナール 他)

 

 

令和元年度より毎年、土佐MBAの様々な講座を受講されている高村さん。受講に至る経緯や学びを続けられるモチベーションなどを伺いました。

 

 

ーー高村さんは現在、有限会社高須ハイヤーの代表を務めてらっしゃるということですが、これまでのご経歴を伺えますでしょうか?

 

はい。実は、県外でのサラリーマン時代が長くていくつかの会社で経験を積んできました。その中で長い間関わったのは、コピー機の会社で約10年間勤めておりました。そこでは主にソフトウェアの研究開発に従事していました。当時、私たちの作ったプロダクトが競合相手に対して技術力では勝っていたのに、マーケティング力で差をつけられ、なかなか勝てなかったということがありました。その時からマーケティングという言葉がトラウマのようになってしまいました。もし当時に土佐MBAの講座を受けていれば、少しは結果が違ったのではないかと思ったりもします。

その後、高知へ帰郷して、急遽父親の経営する会社を引き継ぐことになりました。急な話だったので自分の方針も固まっていない中で模索しながらの状態でした。現在は高須ハイヤー1社になるのですが、いくつかの会社の整理や売却なども行いながら、経営に携わってきました。私が代表になったのが1998年1月末の話なので、25年ほどになります。

 

ーーなるほど、大変な状況で代表に就任されたのですね。
高村さんは4年ほど前から土佐MBAのたくさんの講座を受講いただいておりますが、学んでいこうと思われたきっかけはございますか?

 

いくつか要因があります。
まず、私の父はタクシー会社を含めて3つの会社を経営しておりました。年商でみると結構大きかったのですが、実際にはタクシー事業以外の2つが赤字だったことがわかったのです。
結果的に赤字の2社を売却して、黒字であった高須ハイヤーの事業に専念するという判断をし安定した経営を維持できております。当時の売却判断については間違っていなかったと思うのですが、できているつもりではいても経営については自己流でこれまでやってきたなと感じているところがありました。

また、タクシー事業については黒字だったのですが、安定はしておらずギリギリのラインを推移していました。そこで経費面をコントロールしたり他のタクシー会社を買収したりと、施策を講じることによって安定して黒字を出せるようになってきました。
そこで経営戦略の面白さに気づきもっと深く学びたいと思ったのです。

 


令和5年度土佐MBAゼミナールにて受講メンバーの意見を真剣に聞く高村さん

 

ーー令和元年度から土佐経営塾など毎年様々な講座を受講いただいていますね。どういったモチベーションを持たれて受講をされていますか?

 

そうですね。最初は土佐経営塾とエグゼクティブコースという経営者向けの連続講座を受講しました。課題等もあり2つ同時に受講するのは結構大変だったのですが、自分の中で勢いがついたというか、勉強し続ける事が生活の一部となっていきました。

あとは学んでいくうちに自分の弱点が見えてきて、そこを強化していきたいという部分がありました。また、デジタル化だったり世の中がどんどん変化する中で、最新の技術や考え方などを経営に落とし込んでいかないと取り残されると思ったので、そういった情報を取り入れられる環境に身をおいてどんどん吸収していきたいと思いました。

それから、なんといっても翌年から感染症騒動が始まった影響で、結構自分の時間ができたというのもあります。

 

ーーさきの感染症は事業にも大きく影響があったのでしょうか?

 

非常にありましたね。 
昨年度対比で25%まで落ち込みました。タクシー事業なので運転手は待機している状態なんですが、電話も全く鳴ることがなくて、ため息ばかり聞こえてくる状態でした。それはひどい状況でした。

補助金等いただけた事で何とか持ちこたえたところもあるのですが、一番大きかったのは土佐経営塾を含めて、土佐MBAの講義で様々学んだことで冷静に現状の分析ができたり、戦略を立てる事ができたり、光明といいますかこうしたら徐々に売上も改善していくなという筋道が見えていたので心配も不安もなかったです。もし、経営の勉強をなにもしていなかったら、こういったいつまで続くかわからない不確定要素が多い状況下で、路頭に迷ってあたふたしていたかもしれません。これは本当に土佐MBAのおかげであると言えます。
 


令和5年度土佐ゼミナールにて受講メンバーとディスカッションを交わす高村さん

 

ーーそれはすごいお話ですね⁉土佐経営塾等で学んだおかげで売上の低迷に動じることがなかったと。他に現在のお仕事に生かされたというエピソードはありますか?

 

土佐経営塾の中で、自社の事業計画を改めて考えて作ったのですが、それを今でも活用して戦略に生かしています。まだ道半ばではありますが経営の進め方だったり、考え方については学んだ経験が生かされていますね。

また、これは直接仕事に関係はしていないですが、同じ高知で働く経営者さんの仲間が増えたこと、経営を軸にした共通言語で話せる同志ができたことがかけがえのない財産になっています。受講が終わってもたまに交流があったりして、「新事業でこんな事考えてるんだけどどう思う?」というような話ができるようになりました。土佐MBAを受講する前は、自己流でやっていたので、大きな変化ですね。

 

ーー今後の目標はございますか?

 

これは、反省点でもあるのですが、こういった研修や講座に私しか参加してないんですね。
現業があるのでなかなか学ぶ時間が取れる社員が少ないんです。
せっかくこのような学びの場があるので、私以外の社員にも参加してもらうことで会社の底上げもできるのではないかと思っています。
そのためには、学ぶ時間を捻出できるように社内の体制などを様々調整する必要があるのですが、今後はそれをやっていきたいと考えています。

 

 

ーーありがとうございます。最後にこの記事を見ていただいている方、これから土佐MBAの受講を検討されている方へメッセージをお願いします。

 

こういった学びの場を高知県が主体となって推進されていることがすごいことだと思います。カリキュラムの内容も高知県の事業者にあった素晴らしいものだと思っています。
民間企業でもこういった研修はたくさん提供されていますが、金額面を含めて受講ハードルがとても高いと感じています。
こういった学びの場があることを知った皆さんは、それを生かさない手はないんじゃないかなと思います。

また、今の時点で何を学べばよいのか、課題がどこなのか分からないなどご自身のテーマがはっきりしていない方も多いかと思いますし、私の周辺にも結構いらっしゃいます。
そういった方々でもまずは飛び込んでみて、講師の話を聞いたり、同じ講座に参加している人達とディスカッションをすることによって、参考になることが存分にありますし、これから自身がどういう方向に進みたいのかが見えてくると思います。迷うくらいだったら飛び込んでみましょう!

それでダメだと思ったら止めればよいのです。受講ハードルが低いからこそできるのです。
この記事を見られているということは、キャリアを築けるチャンスのスタートラインに立っているということです。
是非、そのチャンスを生かして欲しいと思います!

 

高村さんが受講した土佐経営塾の今年度受講生募集の詳細はこちら