高知県産学官民連携センター

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【受講者の声】学びの先にあるもの vol.4

世代を超えた人材育成のループを築く

 

四国電力株式会社 高知支店 総務部 人事労務課長 松下 範生 さん

(令和5年度土佐MBAゼミナール、GLOBIS 学び放題)

 

 

四国電力は昨年度より「GLOBIS学び放題」+連続講座(今年度は「土佐MBAゼミナール」)のセットで若手社員さんに受講いただくという取り組みを始められております。
その取り組みに至った背景や思いをお伺いしました。
 

 

ーー四国電力グループは、研修制度が充実しているとお聞きしておりますが、土佐MBAのような外部研修を受講されている背景をお伺いできますか?

当社には総合研修所という四国電力2社(四国電力(株)・四国電力送配電(株))統一で従業員の教育を計画・実施する部署がございます。新入社員教育から始まって中堅・管理者教育等の各階層別教育や上長推薦教育等の様々な教育を全従業員を対象として実施しています。

一方で昨年からなんですけど、当社は四国4県に事業所がありますが各県ごとにそれぞれ違った課題があり、その課題を克服するための人材育成を各現場で企画立案して、実施する方が望ましいのではないかという意見があり、新たな教育を検討することになりました。

そこで各県で課題を深掘りして、その課題を解決するために求められる人材像というのを定義をすることになったのですが、 高知県ではまず1つ目が『経営戦略やマーケティングなどの経営者側の視点』2つ目が『過去の慣習や常識にとらわれない斬新な発想力』3つ目が『高知県内の他企業、他業種との多様な人脈』これらを兼ね添えた将来の高知県を背負って立つ人材を育てていこうと決め、県内でできる外部研修を探しておりました。



ーーなるほど。総合研修所の研修では拾いきれない部分を土佐MBAの研修に期待いただいたということですね。土佐MBAはどういったきっかけでお知りになられたのでしょうか?

前述のような人材を育成するためにはどういった教育をしていくのがよいかと検討していた時に、当社の従業員に過去に土佐MBAの連続講座である「土佐経営塾」を受講した者がおりまして、もしかしたら当社でもうまく活用できるんじゃないかというアドバイスをもらったのがきっかけです。

そこで昨年の春先に開催された土佐MBAの説明会に参加させてもらいました。実際にお話を聞かせていただいて、当社が目指すところのニーズにマッチする人材育成ができると思い受講を決定いたしました。



ーーありがとうございます。
今年度、四国電力の方には連続講座の「土佐MBAゼミナール」と基本コースの「GLOBIS 学び放題」を受講いただいております。
昨年度もそうですが、連続講座とオンライン学習のセットで受講をいただいているのですが、どういったお考えからこのような組合せで受講いただいているのでしょうか?


今年度に関して言いますと、受講する社員の中に入社年次が若いメンバーがおりましたので「土佐MBAゼミナール」に派遣するにあたって、いきなり講座を受講するよりも各テーマごとにフレームワークなどの基礎的な考え方や専門用語などを事前にインプットしてもらっておいた方が、スムーズに受講できるのではないかという意図がありました。

今回の「土佐MBAゼミナール」では、「マーケティング」や「ロジカルシンキング」等テーマがしっかり決まっていることもあって、同様の内容が「GLOBIS学び放題」にまとめてられておりましたので、事前学習や補助ツールとして活用させていただきました。

連続講座+「GLOBIS学び放題」のセットでの受講の取り組みは昨年度から行っておりまして、昨年は新規事業開発の連続講座を受講させていただいておりましたが、「GLOBIS学び放題」との親和性でみると今年度の「土佐MBAゼミナール」のほうが経営における「ヒト・モノ・カネ」を要素分解したテーマになっておりましたので、バッチリはまったなと感じております。


 

ーーそれはよかったです!
「GLOBIS学び放題」はどのように受講されていらっしゃいましたか?



基本的には、できるだけ業務時間内のすきま時間を活用して視聴するよう指示をしておりました。「GLOBIS学び放題」は、たくさんの種類の動画コンテンツがありますが、短くコンパクトにまとまった動画も多いので、各受講日ごとに視聴するべき動画を3コースずつぐらい決めて、長くても1時間程度で視聴出来るような工夫をしておりました。 受講者自身も、 本来業務に対する影響や負担感もそれほど感じることはなく、スムーズに事前学習に取り組めたのではないかと思っています。

また、視聴必須の動画以外は自由に観てよいということにしていましたので、自分たちで興味がある動画は観ていましたし、連続講座のテーマに合致する動画でも長尺のものは必須にはしないなかったのですが、自発的に視聴しているようでした。
 

令和5年度土佐MBAゼミナールにてチームメンバーの意見に耳を傾ける若手社員の津村さん

 

ーーありがとうございます。
実際に今年度受講された方々の反応はいかがでしたか?

 

今回参加したメンバーからコメントを預かってきております。

〇津村さん
 各講義を経て「違った角度からの目線」の重要性に気づかされました。
 問題解決において、一点だけの考えでは前に進みにくいものも逆転の発想はないか常に思考したいです。
 また、異業種交流という面でも、説明や話が上手な方を参考にすることもでき、グループワークを通じ学ぶことの楽しさを改めて実感できました。

〇岡﨑さん
 今までは自分の目の前の業務のことしか考えていませんでしたが、講座を受講することによって、会計や経営戦略など会社全体を見る視点の重要性に気づきました。
 また、様々な業界・職種の方々がいたため、普段の業務の中では触れられないような考えを聞くことができた点が大変有意義でした。



ーー松下さんから見られてお二人の変化などは感じられましたか?

そうですね。当社の社員の特徴として比較的控えめというかおとなしい傾向があります。私も今回の「土佐MBAゼミナール」を何度か見学させていただきましたが、他の受講者の方を見ていると参加する時の姿勢が前のめりなんですよね。自分から質問したり、グループディスカッションで自分の意見を率先して発言したりしていて、講座自体の雰囲気はすごくいいなって感じておりました。

参加をしていた二人には当初から積極的な参加を促しておりましたが、前半のほうはなかなか自ら前に出ていくということが難しかったと思います。

しかしながら、最終日の成果発表の際は当社のメンバーが自ら手を挙げてトップバッターで発表をしておりました。 そういう変化は送り出した側としては嬉しいと感じていますし、受講前から比較しても大きな変化であったと思います。

また、今まではあまり経営側の視点というのは意識することはなかったと思います。研修で学んだ内容をすぐに現在の業務に生かすことは難しいかもしれませんが、意識としてそういった目線を持たないといけないであるとか、自身の会社だけではなく他社を含めていろんな考え方があるということを学べただけでも大きいと思いますし、これからに期待をしたいと思っています。

 

令和5年度土佐MBAゼミナールにてワークショップに取り組む 若手社員の岡﨑さん

ーーありがとうございます!
今回の講座に参加されたお二人は、四国電力の社内で成果報告会をされるとお伺いしました。


そうですね。どういった講座に参加をして、どのような成果が得られたかを資料にまとめて社内向けに発表をしてもらいます。

そこには、支店長・支社長や各部の部長が全員参加します。それ以外にも受講者の所属長や他部所の課長クラスも多く参加し、それなりの人数の前で発表をすることになります。

この取り組みは2年目になります。今後の高知を背負って立つ人材になってくれるような若手に会社から期待をして、頑張って受講をしてくれたということで、成果報告会と言いながらも、経営幹部層みんなで労ってあげようという意味合いもあります。

まだ始めたばかりですが、この流れを1年2年で終わらせるのではなく、今後長く続けていかないといけないと考えておりますし、位置づけとしては重要と考えております。

 

ーーすごい取り組みですね!
高知支店・支社独自の研修というのは始まったばかりということですが、松下さんが目指されている人材育成とはどういったものでしょうか?


四国電力2社として目指す人材育成となると、全社の教育を所管している総合研修所になるのですが、私個人としましては高知支店・支社の目指す人材育成については、今まさに電力業界自体が大きな変革の時期に差しかかっている中、先行きが見通せない「VUCA」と言われる時代を切り開いていくリーダー人材をしっかり育成していかなければならないと考えてます。

先ほどもお話をしましたが、この取り組みが2年目なんですけど、実際に学んできてくれた若手社員たちが目指すべき人材像、リーダー人材となってさらにその次の世代を担う後輩たちをしっかり育てていくという、人材育成のループがしっかり回るというふうになってもらいたいと思っていますし、今はその土台作りの段階であると思っています。

 

ーーありがとうございます。
では最後にこちらの記事をご覧いただいている土佐MBAに参加を迷われている方や人材育成をされていらっしゃる企業の人事ご担当者様へメッセージや土佐MBAのおすすめポイントなどをいただけますでしょうか?


そうですね。当社が土佐MBAという教育コンテンツを選んだ理由の1つでもあるんですけど、 土佐MBAは様々な内容の講座があり高知県内の多種多様な企業から役職や年齢、性別関係なくたくさんの受講者が集まって学ぶことの相乗効果で、日頃の業務だけでは得られないような刺激をもらったり、気づきが得られる有意義な場だと思っています。

今後、高知県でビジネスを展開していく上では、思いがけず素晴らしい人脈が手に入ったり、ビジネスパートナーが見つかるなど、 非常に大きな可能性を秘めている事業であると思います。そしてこの土佐MBAで一緒に学んだことが、ゆくゆくは高知県を変えていく人材や、県内の企業を大きく発展させるきっかけになると信じていますので、まずは受講への1歩を踏み出していただきたいと思っています。我々としてもたくさんの方、たくさんの企業から参加していただいたほうが、受ける刺激もそれだけ多いですし、学べることも多いと思うので、ぜひ土佐MBAの門を叩いていただきたいと思います。

 

四国電力が導入した「GLOBIS 学び放題」の詳細はこちらこちら