【受講者の声】学びの先にあるもの vol.8
学びを事業に生かす― 講座を活用してアイデアを形に
株式会社パトス 代表取締役 永野 有希子さん
Uターンを機に『土佐経営塾』を受講し、経営の知識を深めながら事業を牽引してきた永野さん。これまで継続的に土佐MBAでの受講を重ねる中で、昨年度(令和5年度)の『データ活用講座』、今年度(令和6年度)の『イノベーション創出講座』を通じて、新規事業のアイデアをブラッシュアップし、具体的なビジネスプランへと落とし込んでいきました。
講座を活用した学びのプロセスや、事業にどのように役立てているのか、お話を伺いました。
ーー現在のお仕事やこれまでの経歴について、簡単に教えてください。
2016年5月にUターンし、株式会社パトスに入社しました。それまでは全く異なる業種で働いていましたが、転職という形でこの会社に入りました。
2020年からは、パトスの代表取締役を務めています。現在は母と共同代表として経営を行っています。パトスは1974年に父が美容室を開業したことから始まり、1986年に法人化されました。
私は三代目として、経営全般を中心に経営戦略や事業運営に注力しています
ーー講座参加のきっかけをお教えいただけますか?
高知にUターンした際、たまたまFacebookの広告で土佐MBAが開催している「土佐経営塾」の存在を知りました。そのとき、経営について学びたいと考えていたことと、受講料が手頃だったことが決め手となり、すぐに申し込みました。 実際に受講してみると、講師の先生方がとても素晴らしく、高知でビジネスをされている方々とも知り合うことができ、非常に貴重な経験でした。
これがきっかけとなり、その後も様々な講座に積極的に参加しています。現在でも、毎年、参加可能な講座をチェックしては積極的に受講しています
ーー令和5年度の『データ活用講座』、令和6年度の『イノベーション創出講座』と続けて受講いただきましたが、両講座は高知ゆかりの4名の講師が毎年テーマを変え開催しています。講座の全体の流れや構成について、どのような印象を持たれましたか?特に印象に残った点があれば教えてください。
講座の進行は非常に主体的で、フィードバックを受けながら自分の事業プランをブラッシュアップしていくスタイルが特徴的でした。講義の時間と、講師から直接フィードバックをもらう時間のバランスがよく、実践的な学びが得られる構成になっていました。
経営者としての立場にあるものの、経営の知識を体系的に学んだ経験は少なかったため、講座を通じて経営のフレームワークを学べたことが非常に有益でした。具体的には、戦略やアプローチ方法について、講師の方々から実践的かつ具体的なアドバイスをもらえたのが大きな収穫です。
たとえば、「このテーマにはこういったアプローチがある」「このような方法で調査できる」といった具体的な情報が得られたことで、経営戦略をより客観的に考えられるようになりました。
また、「この手法を自分の事業に生かせるかもしれない」「もっと客観的に事業戦略を立てられるかもしれない」といった気づきも多く、経営に対する理解が一段と深まりました
ーー講師の方々からどのようなサポートやフィードバックを受けましたか?特に印象に残っているアドバイスがあれば教えてください。
講師の方々は、感覚ではなく理論的に教えてくださるので、とても分かりやすかったです。全体的に話しやすい雰囲気を作ってくれて、どんなことも気兼ねなく質問できた点も良かったです。
講義では、戦略的なマップを示してくれたり、「この方法を取り入れるとより明確になりますよ」と具体的に説明してくれたりしたのが印象的でした。そのおかげで、自分の事業を体系的に整理し、言語化することができました。
また、講座内で得られる情報量も多く、リアルなビジネスにすぐ生かせる内容だったと思います。
特に印象に残っているのは、講師との対話を通じて「この事業の核となる部分はここだ」と指摘していただいたことです。様々なアイデアの中から何を優先すべきか、何をやめるべきか、何を一番に打ち出すべきかが明確になったのは、大きな収穫でした。
また、『イノベーション創出講座』で新規事業のアイデアを整理していく中で、「ストーリーが大事である」という視点も教えていただきました。このアドバイスを受けたことで、事業の軸がより明確になり、実現に向けた具体的な方向性が見えてきたと感じています。
ーーご受講いただいた両講座では、実際のビジネスに活用できるアクションプランの作成がゴールになっています。プラン作成の進め方や、講師からのサポートで印象に残っている点を教えてください。
講義までに自身のビジネスプランについてアイデアを整理し、毎回の講義内で講師陣からフィードバックをいただきました。講義内でのフィードバックをもとに、自分の考えをさらに深めたり、修正したりすることができました。
さらに、各回の講義後には個別面談も設けていただき、進捗状況を確認しながらより細かいアドバイスを受けることができました。この個別対応が非常に助かり、自分の状況に応じたサポートを受けることができたので、安心して取り組むことができました。
さらに、講義以外でも懇親会や雑談の中で、自分の事業の方向性について具体的なアドバイスをいただいたり、マーケットの動向や効果的な広め方について教えてもらったりしました。小規模な事業の相談に対しても、的確で実践的なアドバイスをいただけるのは非常にありがたかったです。
ーー実際に今回の講座では、講師との会話から生まれたアイデアを新規事業のビジネスプランとして作成したとお伺いしました。詳しくお聞かせいただけますか?
今回の『イノベーション創出講座』を受講するタイミングで、新規事業として「写真撮影」に関する企画を進めていました。元々は、前年の『データ活用講座』の懇親会で「こういう撮影会をやろうと思っている」と話したことがきっかけで、講師の森沢さんや田原さんから『それはすごく良いですね!』とポジティブな反応をいただきました。特に森沢さんからは「ぜひやってほしい。自分の母も参加させたい!」と強く勧めていただき、それが大きな後押しとなりました。
実際に9月に試験的に企画を実施し、そこで得た経験をもとに、新規事業として展開することを想定しながら講座を活用しました。講座内で新規事業のプランを発表した際、講師から「家族の時間をつくれることが、このサービスの一番の価値ではないか」との指摘を受け、それをもとに議論を重ねる中で、新たなアイデアが生まれていきました。
森沢さんからは「この事業の一番の強みは、家族の時間を提供できること。それがこのサービスの大きな魅力になっている」とのアドバイスをいただき、田原さんからは「実体験をもとにしたストーリーが、このサービスの競合との差別化のポイントになる」との意見をいただきました。
こうしたフィードバックを受け、ホームページ制作やチラシ作成、撮影会と関連するサービス展開を考える際に、「家族が過ごせる時間を提供すること」をコンセプトの中心に据えることが重要だと再認識しました。その結果、テーマがより明確になり、サービスとしての方向性をしっかりと固めることができたと感じています。
ーー講座を通じてビジネスプランを具体化していったわけですね。
はい。講座を通じて、自分のアイデアを思いつくままに進めるのではなく、きちんと整理し、他者にも分かりやすく伝えられる形にすることの重要性を実感しました。特に、ビジネスモデルキャンバスや価値提供のフレームワークを活用することで、事業の方向性が明確になり、より実現可能なプランとして落とし込めたことが大きな収穫です。
ーー今回の講座を通じて得た知識や経験で、今後の経営にも生かせる内容はありましたか?
一つのアイデアを整理し、体系的に検討するプロセスの大切さを改めて認識しました。
今後も「こういうフレームワークがあったはず」と思い出しながら、必要に応じて活用していけるのは大きな財産です。これまで実践してこなかった思考法を取り入れることで、今後の事業展開にも生かせると考えています
ーー今後もぜひ土佐MBAの講座を活用いただければと思いますが、関心の高いテーマがあればお聞かせください。
興味のあるテーマとしては「マーケティング」に関する講座です。特に、地方の小規模事業者が実践できるマーケティング手法に関心があります。基本的なマーケティング手法は知っていても、それを小規模事業にどう応用すればよいのかを学べる講座があれば、ぜひ受講したいです。
また、市場調査の効率的なやり方についても関心があります。限られたリソースを使いながら、どのように市場調査を進めるべきかを具体的に学べる機会があれば嬉しいです。
ーー最後に、これまで土佐MBAの様々な講座を受講されてきた永野さんから、これから受講を考えている方に向けて、講座の魅力やおすすめのポイントをぜひお聞かせください。
私は、土佐MBAのどの講義も、講師の質が非常に高いと感じています。専門性の高い講師陣から実践的な内容を学べるのが、大きな魅力です。また、学びを深める環境が整っていて、多くの方にとって受講しやすい点も特長だと思います。
県が地元企業の活性化のために、これだけ充実した講座を提供してくれているのは、とても貴重な機会です。経営者の方、会社員の方、新規事業を考えている方など、立場を問わず「自己投資」として受講する価値があると思います。
受講することで、確実に新たな視点や知識を得ることができ、経営や仕事に生かせる内容ばかりです。
多くの方に土佐MBAの存在を知ってもらい、ぜひ受講してほしいと思います。