【受講者の声】学びの先にあるもの vol.13
「感覚に頼らない経営へ ー 停滞を打ち破った学び ー」
土佐経営塾(第15期 ) 修了生 池田 剛さん
地元企業での勤務やNPOでの活動を経て、高知の生産者の思いを県外につなぐ卸事業に取り組む池田さん。
「事業が軌道に乗る前に体系的な学びを得たい」「感じていた停滞感を打破したい」という課題意識から、「土佐経営塾」への参加を決めました。
本インタビューでは、受講を通じて得た“成功を再現できる論理的な軸”や、事業の考え方・行動にどのような変化が生まれたのかを伺いました。

―― 現在の事業内容と、これまでのご経歴について教えてください。
現在は、高知の生産者さんと連携し、県外の販売先やEC販売を行う法人と協力しながら、商品の卸売りを行う事業に取り組んでいます。単に商品を流通させるのではなく、生産背景や価値を大切にしながら、適切な形で市場につなぐことを重視しています。規模が小さく流通に課題を抱える生産者さんの「面白い商品」や「思い」をくみ取り、形にしていくのが自分の役割です。母の実家が農家だったこともあり、現在は農産物を中心に事業を展開しています。
大学卒業後は地元高知のスーパーで現場を経験した後、労働組合やNPO法人での勤務を通じて、組織運営や地域をつなぐ仕事に携わってきました。こうした経験やネットワークを活かし、「自分の事業として形にしたい」と考え、現在の事業をスタートさせました。
―― 「土佐経営塾」への参加を決めた背景と、受講前に感じていた課題を教えてください。
事業を始めたばかりのタイミングで、自分のスキルや立ち位置を一度整理したいと考えていました。順調ではあるものの、「このままでいいのか」という停滞感もあり、その循環を変えたいという思いがありました。
もう一つは、会計を基礎から学び直したいという気持ちです。感覚では動けていても、数字や論理で説明できない部分があり、体系的に学ぶ必要性を感じていました。
講座の中で講師の竹内先生が話されていた「世の中には好循環と悪循環しかない」という言葉は、今でも強く印象に残っています。

――実際に受講して、特に印象に残っている内容はありますか?
全体を通して学びは多かったですが、特に印象に残っているのは「私たちが向き合うべきビジネスの新潮流」の回です。
論理的に考えることは大事ですが、「どうしていいかわからないときは、まず動く」という行動量の話が、自分の仕事のスタイルと重なりました。「それでいいんだ」と背中を押された感覚がありましたね。
また最終セッションで紹介されたリーダー像について、紹介された関係性がとても印象的で、「こういうビジネスパートナーと仕事がしたい」と強く感じました。
―― 受講を通じて、具体的にどのような学びがありましたか?
「経営判断」については、十分な準備がない状態でも判断を求められる難しさを実感しました。自分の判断の癖や、発想の引き出しの少なさに気づけたのは大きな収穫です。
また、講座の中では、異業種が集まる中で議論を深める難しさを痛感しました。「決めないと前に進まない」という場面も多くありましたが、講師の方々の進行や関わり方を間近で見られたことも、大きな学びになりました。

―― 講座を通じて、事業や行動にどのような変化がありましたか?
講座は自分にとって大きな転機になりました。課題に取り組む中で行っていた飲食店のリサーチをきっかけに、「これは自分の事業でも展開できるかもしれない」と感じ、その後、実際に現地(静岡)まで足を運び、営業を行いました。
結果として新しい取引につながり、行動することで次の仕事が生まれることを実感しましたね。
――学びを実務にどう活かしていますか?
マーケティングを学んだことで、一つの考え方の軸が自分の中にできました。事業計画を整理しやすくなり、事業を客観的に分析できるようになったと感じています。
特に大きかったのは、成功した理由を分析できるようになったことです。
感覚的にうまくいったことを、「なぜうまくいったのか」という要因として捉えられるようになり、自分なりの成功パターンを言語化できたことは、今後の大きな財産ですね。
――最後に、受講を検討している方へメッセージをお願いします。
「土佐経営塾」はこれから事業を立ち上げようとしている方や、始めたばかりで次のステップに進みたい方におすすめです。
また、事業自体は動いているけれど、私のように停滞感を感じている方にとっても、新しい視点や行動のきっかけが得られる場だと思います。
この講座は、知識を得るだけでなく、人との出会いや自分を見つめ直す機会になる場所だと思います。
迷っているなら、思い切って一歩踏み出してみてほしいです。やってみることで得られるものは、本当に大きいと思います。
事業の成果を「感覚」ではなく「論理」で捉え直し、自らの行動を加速させた池田さん。
身軽なフットワークで複数の事業に挑戦しながら、高知の“まだ知られていない価値”を世に届けていく今後の展開が楽しみです。


